窯主エッセイ
二人の師の言葉 PDF 印刷 Eメール
作者: 青木 清高   
2012年 10月 03日(水曜日) 07:30

私は、十代の終わりから、二十代の初めにかけて中村清六先生の窯で修行させてもらいました。その当時、先生は御飯茶碗なら1日300個くらいはらくらく作っておられました。しかも寸分も違わないように、有田波佐見地区では、いや日本中どこを探してもこれだけの腕を持ったろくろ師は、おられなかっただろうと思います。先生の下で自分も同じものを正確に同じ大きさに引き上げる練習を毎晩おそくまでさせてもらいました。

清六先生の下での修行の後、父、龍山の下で制作することになったある日、父から、1個1個全て違う形のぐい呑みを作ってみなさいということを言われました、それくらい簡単な事と思い、轆轤に向かいましたが、1~2個作ったくらいでもう形が出てこなかったことをよく覚えています。その頃は全く別のことを言う清六先生と父、龍山だと思っていましたが、最近はこの二人の師の言葉の意味がわかるような気がします。
とにかく基本をしっかりマスターしておかないとアドリブが効かないということです。ジャズのギタリストが素晴らしいフレーズのアドリブをやるためには気が遠くなるくらいスケールの練習をすることとも何か似たところがあるように感じます。

 
■写真 最近のお酒の器、ぐい呑み、徳利、片口など、一番リラックスしたときに使う器だからこそ、とても気を遣います。
 
 

 

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最終更新 2012年 10月 03日(水曜日) 15:15
 
窯上がり作品の紹介 PDF 印刷 Eメール
作者: 青木 清高   
2012年 8月 10日(金曜日) 08:42

最近、窯出しした作品をいくつか、紹介いたします。

銀座の和光さんでの個展を最後に、しばらく作品を作れずにいました。それは、忙しかったからというわけではなく、ほんとにスランプに陥っていました。作品が自己表現ではなく、どこかで近代の作家の作品に強く影響を受け続けてきた事への反省から来るものでした。自分の中から出てくるものだけを信じて行こうという決心がついた時から、古典の持つ美しさが見えてきました。

 

■写真 青磁面取り下蕪瓶

 

■写真 青磁六角花瓶

 

■写真 青磁輪花小鉢揃い

 

■写真 青磁輪花鉢

 

 

■写真 青磁花器「青への想い」

 

 

天目(鉄釉)というジャンルには、あえて距離を置いてきたつもりだが、父亡き後どんどん、いろんな人がやり始めたので慌てて最近は挑戦中です。

■写真 瑠璃天目珈琲碗皿
 
 

 

 

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最終更新 2012年 8月 10日(金曜日) 08:51
 
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