窯主エッセイ 父の天目の仕事
父の天目の仕事 PDF 印刷 Eメール
作者: 青木 清高   
2011年 5月 17日(火曜日) 17:25

今から、35年ほど前、染錦から、漆黒の鉄釉で日展に出品し始めたころ、父の目を釘づけにしたのが、当時平凡社より出版された天目、という本でした。
その中で、曜変天目のアップの写真にいろいろと想像をめぐらしていました。油滴天目も一般に言う酸化ではなくむしろ還元に近いのではないかとか、その後国宝に指定されている3点は、穴があくほど機会ある度に見ていたようです。 偶然だけの産物なのか?窯の中の冷却時が分刻みで見れないだろうか?精密に温度制御できる機械はないだろうか?今では自動制御も珍しくはないのですが。当時は、窯につきっきりだったようです。平成18年日本橋三越での個展で再挑戦致しましたが、思うようにはいかなかったようです。
晩年父は天目の龍山などと言われてましたが、あまり喜んではいなかったようです。この難解な宿題を持ちつづけていたからかもしれません。

 


■1970年代後 曜変天目 青木龍山作(青い部分は虹色に角度により変化する。)
 

 
■1970年代後半 還元焼成の油滴天目 青木龍山作

最終更新 2011年 5月 18日(水曜日) 15:32
 

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